2026 年 7 月 22 日、衆議院議員会館およびオンライン配信において、「龍馬プロジェクト全国キャラバン関東ブロック勉強会」を開催いたしました。
本勉強会は、私たちの原点と未来を見つめ直す【第一部】と、超高齢社会の最重要テーマに切り込む【第二部】の二部構成で実施されました。激動する国内外の政治情勢と地域社会が直面する待ったなしの課題に対し、国家としてどのようなグランドデザインを描くべきかを学ぶ貴重な機会となりました。

【龍馬プロジェクト国会議員参与 大岡敏孝衆議院議員によるご挨拶】 1.龍馬プロジェクトの使命と国政の課題(第一部)
第一部では、杉田水脈会長より、龍馬プロジェクトがこれまで歩んできた軌跡と今後の果たすべき役割について指針が示されました。さらに、本年 2 月に国政へ進出された石川勝前会長からは、19 年間の地方議員経験を経て見えてきた「いま国政で取り組むべき真の課題」について熱く語っていただき、地方のリアルな声を国政に届け、国と地方をつなぐ政治のあり方について認識を共有しました。

【龍馬プロジェクト杉田水脈会長による講演】

【龍馬プロジェクト前会長石川勝衆議院議員による講演】
2.介護離職の実態と地域ネットワークの重要性(第二部・佐藤麗子氏)
第二部前半は、「私らしく生きる認知症ネットワーク」代表の佐藤麗子氏より、当事者や家族に寄り添う地域ネットワークの現状についてお話を伺いました。
佐藤氏ご自身の経験として、医療機器メーカーの管理職として働いていた 2024 年 6 月、離れて暮らす母親(88)が認知症になったことを機に、不安に駆られて慌てて退職してしまったという事例が語られました。

【一般社団法人私らしく生きる認知症ネットワーク代表 佐藤 麗子氏による講演】
現在、親などの介護を理由に年間約10万人が仕事を辞める「介護離職」が発生しており、介護しながら働く人の 6 割を 40~50 歳代が占めています。
職場の支援制度として、通算 93 日(3 回まで分割可能)で賃金の 67%を受給できる「介護休業」や、年 5 日時間単位で取得できる「介護休暇」、さらには短時間勤務などの制度が存在します。
しかし、制度をよく知らなかったり、同僚に迷惑がかかると思って取得をためらい、結果的に経済的・精神的負担が増大するケースが多いことが指摘されました。
仕事を離れて認知症を学んだことで、本人も不安を抱えていることが理解でき優しく接することができるようになったとしつつも、介護が始まってもまずは立ち止まり、制度を活用して働き続ける選択を模索することの重要性が訴えられました。

3.認知症急増時代における医療の最前線(第二部・長田乾先生)
第二部後半は、横浜総合病院臨床研究センター長の長田乾先生より、「予防と共生」のあり方について専門医の立場からご講演いただきました。

【横浜総合病院 臨床研究センター長・横浜市認知症疾患医療センター長 長田 乾(けん)先生による講演】 世論調査によると、自分が認知症になった場合に「家族に負担をかける」と不安を感じる人が 74.9%に上る一方で、27.4%が「医療・介護のサポートを利用しながら今まで暮らしてきた地域で生活したい」と希望しています。
物忘れ外来の初診患者の診断では、アルツハイマー型認知症が 43%と最も多く、次いで軽度認知障害(MCI)が 35%、レビー小体型認知症が 9%、血管性認知症が 6%と続きます。 認知症の前段階である MCI(軽度認知障害)患者 380 人を 5 年間追跡した調査では、 27.9%が認知症に移行した一方で、31.3%は正常に回復(リバート)しており、早期発見と介入が極めて重要です。
WHO のガイドラインにおいても、身体活動、栄養・食事、禁煙、節酒、知的・社会活動、高血圧や糖尿病の治療などが認知機能低下のリスク低減に有効であると示されています。 特に社会参加の欠如や社会的孤立はリスクを高め、週 1 回以下の外出や、社会活動への不参加は認知症や要介護リスクを上昇させるため、社会ネットワークの構築や、犬を飼うなどの日常的な活動が予防に繋がることがデータで示されました。

4.政治・行政に求められる「地域包括ケア」と「共生社会」の実現
講演の結びとして、超高齢社会を支えるための具体的なグランドデザインについて提起がなされました。
制度に基づく「フォーマルサービス(介護・医療保険など)」と、制度に基づかない「インフォーマルサービス(家族・ボランティア・NPO など)」の両輪を組み合わせた地域包括ケアシステムの構築が不可欠です。
目指すべき「地域共生社会」とは、支援する人・される人という区別やカテゴリー化をなくし、誰もが役割と生き甲斐を持ち、互いに支え合う関係が循環する社会を指します。 認知症になっても社会から排除されず、一人の人間として尊重され、情報やサービスにアクセスできるインクルーシブな地域社会の整備が、政治と行政に強く求められています。


おわりに
今回の勉強会は、超高齢社会における最大の地域課題である「認知症」について、介護離職という家族のリアルな課題から、医療・社会構造の視点に至るまで統合的に学ぶ機会となりました。
「地方から国を動かす」という龍馬プロジェクトの使命のもと、本日の学びを各地域での政策立案の糧とし、誰もが安心して自分らしく暮らせる「共生社会」の実現に向けて、全国の同志と共に具体的な行動を進めてまいります。


文責:龍馬プロジェクト関東ブロック長 松本 博明
2026.07.23
関東ブロック2026.07.15
九州・沖縄ブロック2026.03.08
四国ブロック2025.11.28
関東ブロック2025.11.16
北海道ブロック