龍馬プロジェクト

イベント報告

  • 2010.12.24
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12月11日 第四回関東龍馬塾

12月11日 第四回関東龍馬塾

12月11日(土)には、関東地区龍馬プロジェクトとしては年内最後のイベントである関東龍馬塾が、 31名を集め先日と同様に新宿で開催されました。当日の模様は情報システム委員長の上島よりレポートさせていただきます。

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藤本挨拶

第四回を数えた関東龍馬塾は、 来年の千葉県習志野市長選挙への出馬を表明している前習志野市議会議員で本会副会長の藤本一磨からの挨拶で始まりました。第四回の関東龍馬塾には、今年最終回に相応しい2名の講師をお招きして開催されました。 とかく人間とは、自らが置かれた限られた世界にその了見が縛られることが多いものですが、講師の方々はお二人とも、いわゆる”Eye Opening”なお話を頂戴し、31名の参加者はまさに時間を忘れてそのお話に”聴き入っていた”・・・そんな講座となりました。

中尾講師
~地方議会のあるべき姿について~

全国初の議会基本条例の制定に尽力されたことでもご高名な中尾先生からは、現在多くの人が誤解をしている地方議会の機能、 及びそのあり方について、最近のニューストピックも交えながらお話いただきました。中尾先生は地方政治に対する言及の中で、 首長と議会の二元代表性の原則について触れ、 そのシステムに組み込まれているCheck&Balanceのシステムを確認していくことを通じて、 現職地方議員や地方議員を目指す者が多い龍馬プロジェクトのメンバーに対して、議員の位置づけと議会のあり方を解説していただきました。

現状、首長とそれに賛同する議会内与党と、議会内野党が、首長提案の賛成可否を巡ってそれぞれ対立する構図になっています。しかし、 本来議会内部で与野党があるのはおかしく、議会は合議体として首長に対するチェック機関としての役割を果たすべきである、 と中尾先生は主張なさいました。そのチェック機関としての役割から、議会議員はあくまで「市民の代理者」であり、 市民の付託を受けて市民との対話を怠り物事を決めていく現状は好ましくなく、 普段から政策意思決定プロセスを公開し市民との対話を通じて信頼関係を勝ち取る努力をしなければならない、としています。

名古屋市や阿久根市議会での出来事が面白おかしくメディアを賑わす昨今ですが、視点を変えれば、 それは議会がその機能として本来果たさなければならない「代理者としての対話」という役割の放棄と、「政策立案・調整能力」 の欠如の間接的な現れであるということを冷静に見つめなければならないようです。 日本の地方議会改革の先頭に立たれている中尾先生だからこそ、日本の民主主義が本来システムとして持っていなければならない”そもそも論” を説得力のある形で私たちに語って頂く事ができたのではないでしょうか。

中尾先生からのゲキに、参加者一同引き締まった表情をしていました。

北原講師
~日本の医療制度と医療産業の輸出について~

後半の講演は、最近、カンボジアでの事業で注目を集めている北原脳神経外科病院理事長の北原茂実先生より、 海外比較を交えながら日本の医療制度と産業としての医療の輸出についてご講演頂きました。

北原先生はまず、現在世の中で信じられている医療に関する様々な「間違った理解/情報」を、ひとつひとつ具体例を示しながら指摘し、 日本人の医療に対する認識の低さ、医療の危機的状況を明快に訴えかけました。北原先生の問題提起の論点は、現状、 産業として構造的に儲からない日本の医療に対する危機感がベースになっています。低コストで医療サービスを受けることができるのは、 国民にとっては一見良いことではあるものの、医療従事者、企業、行政にとっては、 赤字を垂れ流し身銭を削って医療奉仕をおこなっているのと同じこと。(※北原先生は医療費を3倍にすることを提案されています。) この状態は疲弊を生み、医療従事者の職離れ、企業の撤退・倒産、医療保険制度の崩壊につながり、中長期的に日本にとって健全な状態ではない、 と北原先生は主張されます。

医療は医療だけで独立しているものではなく、社会が健康的であって初めて医療がその効果を発揮して人々は健康を保つことができるのだ、 医療の崩壊はつまるところ社会の崩壊である、という視点も示されました。医療は総合生活産業であり、ひとが生まれ、育ち、 亡くなるまでの全体をカバーすると捉え、医療を足がかりにそこに留まることの無い包括的な産業を作りたい、 という思いを持っていらっしゃいます。今や雇用を生み日本経済をドライブしていくのは工業ではなく医療産業であり、 それしか道は無いと断言します。医療を戦略産業にするためには、医療の自由化、産業化、国境を越えた展開は必須条件として挙げられます。

日本の宝であり、日本人がそもそも大切にしてきた価値観(正確、精緻、思いやり)に、大きな可能性と自信を北原先生は見出しています。 現状の医療システムを変えていくことが、日本がこれまで培ってきた、そしてある意味守りすぎて変えていくことを恐れてもきた医療が後退 (質やカバレッジの低下)することには繋がらないのも、この日本人の性格への厚い信頼からだと言います。

医師でありながら、経営者であり、社会・地域活動も行う北原先生。社会が健康で初めて人は健康になれる、という言葉に重みがあります。 後でご年齢を伺ってびっくりするほどキラキラした表情をお持ちで、本気で社会を変えていきたいという決意と想いをヒシヒシと感じました。

鈴木挨拶 全体模様
※鈴木英敬総合戦略本部長の挨拶。木内代議士の言葉を引用し「突き抜けなければならない」 とゲキを飛ばしました。

忘年会

今年最後のイベントということもあり、龍馬塾の後には講師の方、 懇親会からの参加者3名も加えて忘年会を行いました。今年は龍馬プロジェクトにとって自力を蓄える為に活動の幅を広げてきた1年でしたが、 来年の統一地方選挙で花開かせことができるよう、誓いを新たにした一日でした。

(文責:上島俊範 本会情報システム委員長)

【講師略歴紹介】

中尾修 (なかお・おさむ)1949年北海道栗山町生まれ。

北海道立栗山高等学校卒業、自治大学校卒業、1967年栗山町役場、1986年栗山町議会事務局、2001年栗山町議会事務局長。 全国初の議会基本条例の制定に尽力する。

講師も深く関わったお勧めの書:
『議会からの政策形成― 議会基本条例で実現する市民参加型政策サイクル』

北原茂実 (きたはら・しげみ)1953年横浜市生まれ

東京大学医学部卒(1979)医学博士。医療法人社団北原脳神経外科病院理事長

15年前に北原脳神経外科病院を開設し、「世のため人のため、より良い医療をより安く」及び「日本の医療を輸出産業に育てる」 の2つを経営理念に掲げてきた。早くから今日の医療崩壊を予想し、 入院患者の家族に院内業務への参加を義務付けて病院と利用者間の信頼醸成に努めると同時に、 ボランティアには将来貨幣と同様に病院内で使用できる地域通貨“はびるす”を発行して、 医療を提供する側と受ける側の垣根を出来る限り取り払い、“市民の市民による市民のための病院”を実践している。また開設当初より、 医療と教育をツールとした社会開発、医療による所得の再分配を目的に中国や東南アジアでの学校、病院の建設に尽力して来た。 最近は内戦によって荒廃したカンボジアの医療供給体制を立て直すために、同国初となる総合医科大学と付属病院を建設するために奔走している。

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